増刊号 メタボリックシンドローム健診検査技術マニュアル
総論
6. 基準範囲と基準値―概念・設定法・用途から見た相違点
市原 清志
1
1山口大学大学院医学系研究科保健学専攻生態情報検査学講座
pp.1045-1052
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101871
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はじめに
メタボリックシンドロームの早期発見と予防を目指した特定健診が2008年4月から実施される.その病態診断の基本となるのは,身体計測値と臨床検査値で,それぞれに基準値が示されている.そのなかで使われている基準値という用語は,臨床検査の分野でこれまで使われてきた基準範囲という用語と混同されており,かつ基準値そのものにも,いくつかの意味合いがある点が問題となっている.この点は,先に日本臨床検査医学会の標準委員会に設置された「基準値・基準範囲特別委員会」のなかで討議されたが,その報告1)が周知されておらず,特定健診の導入でその混乱にいっそうの拍車がかかると予測されるため,再度,二つの用語の概念を整理したい.
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