検査じょうほう室 一般:一般検査のミステリー
寄生虫かウドンか
安部 祐史
1
1松江生協病院臨床検査科
pp.258-259
発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101355
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はじめに
2002年1月,病棟から寄生虫らしいものが出たから見てほしいとの依頼がありました.腸して排泄された便の中に紐状の白いものが出たということです.
検査室に届いた物体はウドンそっくりで乳白色の紐状,直径が5~10mm,長さが50cmと10cmの2つの断片でした.触ってみると腰の強い讃岐ウドンかお餅のようで弾力がありました(図1).これ,ウドンじゃないの?と持ってきた看護師さんに聞いたのですが,患者さんはウドンや餅は食べていませんとのことでした.
寄生虫病の診断のための糞便検査を行う場合に,人体には寄生しないはずの他動物の寄生虫類や,ときにはやミミズのような生物体,そしてウドンなど麺類,もやしといった食物残が提出される場合もあります.
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