病気のはなし
糖尿病網膜症
野間 英孝
1
,
船津 英陽
1
,
堀 貞夫
2
1東京女子医科大学附属八千代医療センター眼科
2東京女子医科大学眼科
pp.234-238
発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101169
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サマリー
今や,わが国の糖尿病患者数は700万人以上にものぼり,国民病ともいわれています.そのうち糖尿病網膜症(以下,網膜症)の患者数は280万人以上にのぼります.網膜症は,高血糖が続くことにより起こる網膜の細小血管症です.初めは全く無症状ですが,網膜症の進行に伴い,単純網膜症,増殖前網膜症,そして増殖網膜症へと進行していき,視力障害を生じてきます.網膜症を含む糖尿病合併症の治療の基本は血糖コントロールですが,網膜症の進行に伴い,網膜光凝固および硝子体手術などが必要となります.近年の医療の進歩により失明する人は減少してきています.しかし,この進歩した眼科的治療が奏効して手遅れとならないためには,十分な内科的治療とともに蛍光眼底造影などの眼科検査による早期発見・早期治療が大切です.
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