増刊号 新しい臨床検査・未来の臨床検査
序
矢冨 裕
1
1東京大学大学院医学系研究科臨床病態検査医学
pp.997
発行日 2006年10月15日
Published Date 2006/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101041
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現在,わが国の臨床検査,特に検体検査を取り巻く状況が厳しいものであることは周知のとおりである.経済効率が重視されるあまり,コスト削減のターゲットとして臨床検査は縮小傾向にあり,包括医療の導入・推進によりその傾向はますます強くなっている.また,病院の検査室で行っていた検査の外注化の動きも進んでいる.しかし,臨床検査の現代医療における重要性は,それにも増して明らかなことであり,現在も新しい有用な検査が着実に臨床応用されている.とどまるところを知らない生命科学・医学研究の発展を考えると,今後,ますます,疾病の診断・病態の評価に役立つ新しい臨床検査が登場すると考えられ,その点では,臨床検査の未来は明るいと考えられる.
今回「新しい臨床検査・未来の臨床検査」と題する『検査と技術』増刊号を発行する案が本誌編集委員会から出されたのも,以上のような状況を踏まえ,臨床検査の重要性,将来性を再認識するためであった.筆者もその一人として企画構成に関与したが,そのねらいは単純・明快で,未来・将来性を感じさせるような臨床検査を選んで紹介させていただき,臨床検査の新しい息吹・将来性を読者に実感していただくことであった.
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