検査じょうほう室 微生物
原因微生物が検出されなくてもよい症例
相原 雅典
1
1高根病院検査部
pp.854-857
発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101002
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はじめに
現在,病院検査室や検査センターで行われている細菌検査には多くの問題点がある.最大の問題点は,細菌検査が本来目標とした「感染症診断に役立つ情報」とはおよそほど遠い検査成績を,長年に渡り報告し続けてきた点にある.それでは臨床医が求める「感染症診断に役立つ情報」を提供するために,われわれは今何をしなければならないのだろうか?
最初に為すべきは,あらゆる感染症に対応する検査室とするために「細菌検査」を「感染症検査」に改名し,次に従来の感染症検査法の見直し,すなわち,これまで行ってきた感染症検査法の何が,感染症診断や治療方針の決定および医療収益に役立ってきたのか再評価し,贅肉を削ぎ落とし感染症検査を根底から再構築する必要がある.
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