検査じょうほう室 微生物 ステップアップに生かす微生物の知識
微生物染色法の基礎知識 その2 各種グラム染色法の特徴
小栗 豊子
1
1順天堂大学医学部附属順天堂医院臨床検査部
pp.1382-1384
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100888
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
(前項の続き)
微生物染色法の基礎知識「その1」では色素の一般的な性質,グラム染色(Gram stain)の原理,グラム染色法の種類について解説した.
本稿では各種グラム染色法の特徴について解説する.
グラム陽性菌の染色,増強剤と媒染剤
ハッカーの変法(modified Hucker Gram stain),石炭酸フクシン法,コペロフ(Kopeloff)の方法はいずれもクリスタル紫を用いる方法である.ハッカーの変法,石炭酸フクシン法はクリスタル紫液に増強剤としてシュウ酸アンモニウムを添加するが,コペロフの方法ではシュウ酸アンモニウムは添加せず,その代わりに5%炭酸水素ナトリウムの水溶液を用いる.これらの三つの方法はいずれも媒染剤としてヨウ素が使用されている.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.