オピニオン
検査室の一般公開
福田 邦昭
1
1兵庫県立西宮病院
pp.253
発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100492
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閉ざされたイメージのある医療現場は,患者さんや住民にとって何をしているのかわかりづらく,医療への不信感が募る原因でもある.医師や看護師の業務は理解できても検査室や臨床検査技師はその存在すら知られていないのが現状である.そこで地元の老人会・婦人団体代表の見学,また高校生の「1日職業体験」を受け入れ,検査への理解を深めてもらうために検査室を公開した.
臨地実習学生の悲痛な嘆き
「検体検査が【物】として扱われていたことを初めて知りました.採血後の血液は凝固するし,グルコースは代謝し続け感染する可能性もある.患者さんは病院で採血された血液が無資格者に検査されていると知ったら『無責任!』と憤慨するでしょうがそのことすら知らない」,「医療関係は資格があれば就職は大丈夫と高校の先生に言われて進学を決めたのに,国家試験は広範囲で難しい,これでは希望が持てない」.臨地実習学生の嘆きは深刻です.あなたは,医師や患者さんの信頼を得て真の医療人として地位向上と待遇改善の実践から堂々と胸を張って後輩に夢を与える努力をしていますか.
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