Laboratory Practice 血液:末梢血血液像における鑑別困難な血球・5
異常顆粒・封入体
新徳 隆子
1
,
東 克巳
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.452-456
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100423
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はじめに
今まで末梢血液像における鑑別困難な白血球や赤血球個々の細胞について述べてきた.今回は特に白血球の種々細胞に見られる異常な顆粒や封入体について述べる.これまで取り上げてきた事柄も一部含まれるが,それらについては重複しないよう見かたを変えて述べた.
健常者の末梢血血液像に見られる赤血球の色調や形態,種々白血球の核構造,細胞質に見られる顆粒の色調・大きさ・数などは細胞の種類によって異なることは周知のとおりである.正常な細胞の正確な状況の把握は,正常では見られない異常顆粒あるいは細胞質に顆粒以外に認められる物体である封入体を見つけ出すうえで重要なポイントとなる.
異常顆粒,封入体を的確に判断し,正確に把握することは,病態の把握や確定診断につながる重要な情報となることも少なくない.
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