Senior Course 生化学
—酵素の初速度測定—LDH Ⅰ
大場 操児
1
1獨協医科大学病院中検
pp.674-675
発行日 1975年6月15日
Published Date 1975/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917713
- 有料閲覧
- 文献概要
生体内には数多くの酵素が存在し,それぞれの酵素が代謝と密接に関与している.そのすべての酵素の働きについては知られていないので,酵素の種類を完全に分類するまでには至っていない.一方,研究室サイドで測定が試みられている酵素の数は多いが,臨床検査室でルーチン検査として,一般的に利用されている酵素の種類はまだ限られている.国際生化学連合(IUB)に従って分類された代表的な酵素を表に示した.見られるようにLDHは酸化還元酵素系に属した,利用度の高い検査項目の一つとなっている.
脱水素酵素(dehydrogenase)は生体内の酸化還元反応を触媒する酵素系の第1段階に働き,やがて嫌気的脱水素系の反応に移行するといわれている.脱水素酵素の多くはNAD,NADH,またはNADP,NADPH系を補酵素(coenzyme)とし,反応はPyridine核の可逆的酸化還元反応により,脱水素反応の進行が,次々に受けついで行われている.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.