特集 臨床生理検査と採血
I.生理検査
心電図
原岡 昭一
1
1岡山大第1内科,中検
pp.139-142
発行日 1971年2月15日
Published Date 1971/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917286
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はじめに
心電図の目的は人体表面の電位変化を記録し,心臓の収縮周期に伴う発電現象の変化を推測するものである.すなわち心電図により心筋の興奮性,律動性,伝導性を知るわけである.心疾患の診断には,問診,理学的所見,胸部X線などが必要であるが,心電図検査は心疾患の診断には欠くことのできないものである.特に次のような場合は重要な情報源となる.①不整脈,②冠動脈,心筋疾患(心筋硬塞,狭心症,心筋炎など),③心臓の肥大または負荷,④その他の疾患(肺疾患,代謝,電解質異常の表現として),⑤薬物の影響(ジギタリス,キニジンなど).
また心電図は診断のみならず,治療による変化,予後判定,さらに集団検診などにも広く用いられている.
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