技術解説
末梢神経の染色手技—特に鈴木法について
渡辺 明
1
1国立埼玉病院・検査科
pp.426-428
発行日 1966年5月15日
Published Date 1966/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917028
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神経系の染色,特に鍍銀法は,病院検査室の技術者には,なにか煩雑な操作が多く,成果の判定も,つかみどころの悪い感じを与え,とっつきにくいものとして敬遠されがちである。末梢神経の鍍銀法においても,Gros-Schultze法,その他,種々の優れた染色法があり,それぞれ独自の工夫,改良が加えられているが,今日においてもまだ相当の熱練を要し,慎重に行なってもなかなか思うような成果が得られぬ現状である。そのできばえは,材料の新旧や固定のよしあしなどにも左右され,しばしば特殊な固定を必要とするとされていて,普通の生検材料や古い剖検材料などではあまりその成果が期待できないと考えられがちであるが,神経系の腫瘍の診断には必須な染色であり,まとまった2〜3時間で,しかも10%フォルマリン固定の材料からでも,かなりの成果を上げ得るので,ぜひ試みるべきであろうと思う。私は優れた数種の染色法を行なった結果,鈴木1)2)4)瀬戸2)3)両法を選び,特に鈴木法が比較的失敗も少なく,数多くの切片を一度に処理できるので,その染色手技について述べてみたいと思う。
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