技術解説
部分トロンボプラスチン時間—PTT・KPTT測定法
藤巻 道男
1
,
佐野 京子
1
,
安井 武義
1
,
川辺 ネウザ
1
,
藤巻 京子
1
,
和田 敬子
1
1東京医科大学・臨床病理学教室
pp.313-318
発行日 1966年4月15日
Published Date 1966/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917010
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はじめに
臨床検査におけるスクリーニング・テストという言葉が広く用いられているが,これは各種疾患に対して検査を行なうにさいし,まず簡易な信頼度の高い検査法を行なって,その異常の有無を知ろうとする方法である。凝血検査における部分トロンボプラスチン時間Partial thromboplastintime (PTT)は,凝血因子の欠乏を原因とする出血性素因とくに軽症例の発見のためには信頼度のたかいスクリーニング・テストの一つである。
Langdell (1953年)はトロンボプラスチンには正常血漿も1血友病血漿も共に同じ速さで凝固せしめるものと,正常血漿は速く凝固させるが,血友病血漿は速く凝固しないものとの2種類があるとして,前者を完全トロンボプラスチン,後者を部分トロンボプラスチンと命名し,後者を用いて血友病の診断法として,部分トロンボプラスチン時間(PTT)なる本法を考案した。
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