講座 検査技術者のための臨床病理学講座11
臨床化学検査(3)—非タンパク性窒素の検査とその臨床
林 康之
1
1順天堂大学医学部臨床病理学教室
pp.327-329
発行日 1965年4月15日
Published Date 1965/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915746
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I.非タンパク性窒素(Non-Protein Nitrogen:NPN)について
非タンパク性窒素とはわれわれの体内成分のうち,通常の除タンパク操作で除くことのできない窒素化合物のことで,除タンパク後の滬液に残るところから別に残余窒素ともいっている。したがってその内容は尿素,尿酸クレアチン,クレアチニン,諸種のアミノ酸,アンモニア微量のぺプタイド,グルタチオン,プリン体などが含まれ,臨床検査としては血液,尿あるいは各体液成分について測定される。そして臨床的にNPNの検査は(1)その総量が問題になる場合と,(2)各個々の成分の定量値の変動を問題にする場合と,(3)総量と同時に各成分の動きを知ることを目的とする場合がある。また対象となる検査材料は特殊な場合を除きほとんど血液で,正常健康人の血漿中の非タンパク性窒素成分の量はほぼ表1のようである。
それでは体液成分中のNPNはそれぞれどのような由来をもっているかをごくかんたんに説明すると図1に示すようになる。
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