新しい機器の紹介
パイルチューブNo.1による腸内細菌群同定について
神永 陽一郎
1
,
和泉 宗昭
1
1横浜市立大学病院中検
pp.1132-1136
発行日 1978年10月15日
Published Date 1978/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914903
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はじめに
最近臨床細菌検査の領域において注目されることの一つに,腸内細菌群同定の簡易化及び迅速化を目的としたAPI (以下AP),Miniteck (以下MT),Enterotube(以下ET),Rbなどの簡易同定キットが市販されている事実がある.これらの中には単に腸内細菌群の同定にとどまらず,ブドウ糖非発酵性グラム陰性杆菌,嫌気性菌及び真菌の同定ができるものもある.前記の製品はいずれも輸入品であるが,諸家の報告1〜4)によれば多少の問題点はあるとしても,かなり高い確率で同定が可能であると述べられているので,人員不足に加えて極めて繁忙な検査業務に寄与するところが大きいと言えよう.したがってこれらを日常検査に導入する施設が増加しつつある事実は周知のとおりである.
今回同様の目的で我が国で初めて製品化された腸内細菌群の簡易同定キット"パイルチューブNo.1(以下PT.図1)"の提供を受け,検討する機会を与えられたので,当院細菌検査室における慣用法と比較し,その信頼性及び問題点などについて検討した結果を報告する.
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