カラーグラフ
ペチロミセス症
赤木 正志
1
,
高安 進
2
,
河上 清
3
1八尾市立病院皮膚科
2大阪大学・皮膚科
3蚕糸試験場硬化病研究室
pp.1050-1051
発行日 1978年10月15日
Published Date 1978/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914886
- 有料閲覧
- 文献概要
偶発的感染を起こす真菌には,自然の生態系においてヒトの病原菌であるよりも植物や昆虫の寄生菌として知られているものがある.Paecilomyces lilacinusもそのような性格を持つ真菌の一つである.最近この菌種によるヒトの皮膚感染例が認められ,またこの菌種はカイコノウジバエの幼虫であるキョウソに感染し,まれにカイコにも寄生を起こす菌種と同一種か極めて近縁の菌である可能性が明らかとなった.このような事例に遭遇するにつけても,異なる分野の研究者の間で互いに情報の交換されることが切に望まれるものである.
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.