学会印象記
第17回臨床化学シンポジウム 第9回臨床検査自動化研究会—成功した両学会共催の機器展示会
亀井 幸子
1
1東大・中検
pp.61
発行日 1978年1月15日
Published Date 1978/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914640
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第17回臨床化学シンポジウムが北村元仕会長の下に去る9月15,16の両日都心大手町の農協ビルで開催された.今年のシンポジウムには二つのテーマが取り上げられ,第1日の薬剤の臨床化学に関するものでは抗てんかん剤,抗癌剤その他投与薬物の体液中濃度及び代謝動態の検索,薬物代謝機能検査法として抱合能や関連酵素活性測定などを中心に13題の発表が行われた.第2日は活性ペプチドの基礎と臨床に関するものであり,なかでも消化管ホルモン,血管作動性ペプチド,神経伝達性ペプチドの三者をめぐって生理的意義,病態との関連などの研究が14題披露されたが,前半の合成ペプチドによる組織的な研究が目立った.このほか一般演題が61題寄せられ,豊富な知見の交換が行われた.
また第9回臨床検査自動化研究会が同月16,17の両日斉藤正行会長の下におなじみの経団連会館で開催された.検査需要の増大傾向が近年とみに強まって,自動化機器の開発改良も年とともに盛んとなっている現状を反映して,一般演題72題の発表が行われて熱のこもった現場からの声が行き交ったほか,教育講演2題,血液凝固検査の自動化とその評価に関するシンポジウム3題,Bio ScienceのThiers博士の招待講演,サーベイ委員会からの本年度サーベイの集計報告,多項目同時測定自動機器の正確度に及ぼす諸要因のうち基準液の問題にスポットを当てたパネルディスカッションなどが行われ,盛りだくさんな内容を持つものであった.
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