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第19回臨床化学シンポジウムと第11回日本臨床検査自動化研究会から
中山 年正
1
1虎の門病院生化学科
pp.320
発行日 1980年4月1日
Published Date 1980/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202039
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今回の両学会は同一会場で会期をずらしてつながるように開催するという画期的な試みがとられたためか,両学会とも参加者が非常に多いことが注目された.日本臨床化学会のシンポジウムが昨年9月26,27日,続く28,29日が自動化研究会で,場所は大阪商工会議所,会頭は前者が奥田清大阪市大教授,後者は林長蔵大阪大学助教授である.
臨床化学シンポジウムは一般演題62題中の約半数以上が酵素に関するもので,酵素の性状,病態解明への意味,酵素的分析法などが主なものであった.ヒトγ-GTP,アミラーゼ,蛋白質脱リン酸化酵素などが精製され,その分子形,酵素学的性状,糖鎖の修飾などが解析され,また,オルニチンカルバミルトランスフェラーゼの欠乏症では,酵素活性と免疫学的測定法を等電点電気泳動分画法に組み合わせ,活性型と不活性型酵素の混在を証明し,これらは今後の蛋白質,酵素異常解明への有力な手法となることを印象付けていた.
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