特集 小児の臨床検査
Ⅳ.患児検査
B.心音
小佐野 満
1
1慶応義塾大学・小児科
pp.1261-1265
発行日 1977年11月1日
Published Date 1977/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914557
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小児の心疾患は先天性のものが多い.先天性心疾患は出生1,000にっき5〜8とされているから,少なくとも200人に1人の割合で先天性心疾患が生まれることになる.後天性心疾患は小児科年齢では多いものではないが,リウマチ性心疾患は学童期以降には時折みられる.
これらの小児心疾患はそのほとんどが聴診によって発見されるので,小児の診療に携わるものにとって心臓聴診は極めて重要なものである.心疾患の診療における聴診は過去20年間にとみにその重要性を増し,単に病名の診断のみならず,その疾患の重症度などまで推測しうるようになり,臨床上の価値は極めて大きくなっている.これは聴診所見を正確に記録しうる心音計の開発と,血行動態の変化を正確に捕らえる心臓カテーテル法などの進歩によるものである.
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