技術解説
組織内金属の測定法
平間 元博
1
,
藤岡 保範
1
,
恩村 雄太
1
1北海道大学・第2病理
pp.143-147
発行日 1977年2月15日
Published Date 1977/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914264
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生体内に生理的に存在する微量金属が種々の疾患で増減することはよく知られている.一方,生理的,非生理的を問わず,ある種の金属が生体内に過剰に蓄積して病的状態(中毒症)を惹起することも周知の事実であり,その際,血液,尿,尿,唾液,汗,胃液,胆汁,リコール,乳汁などに含まれる金属を測定することが必要不可欠である.更に,場合によっては手術あるいは剖検により得られた臓器や組織内の金属含量を測定すれば,より正確に疾患との関係を推測することができる.しかし,材料の制限(生検材料では量的に不足),測定に要する装置,手技などが高価で,やや繁雑なこと,一定の確立された方法がないことなどから,現在では,まだルーチン化していない.しかし,今後,その必要性はますます高まるものと思われるので,著者らの今までの経験に基づき基本的事項と注意すべき点について述べてみたい.
測定のプロセスは次のごとくである.①試料の採取②乾燥,③灰化,④原子吸光分析,以下,項目ごとに述べてみよう.
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