今月の主題 迅速検査;現状と今後の動向
検査機器・キットの進歩
生化学検査—血液
中 恵一
1
Keiichi NAKA
1
1大阪市立大学医学部臨床検査医学教室
pp.264-269
発行日 1988年3月15日
Published Date 1988/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913598
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
迅速検査に関与する検査機器・キットの進歩は,初期にはそれ自体が臨床検査の進歩であった.臨床検査が独立し,体系づけられはじめると,それにかかわるあらゆる資源の中央化が促進され,その過程における迅速検査はつねに大量処理指向にある中心とは別の核をもつため,二点の重心に一本の軸をつけたコマのように全体の円滑な運営を悩ませるものとなつた.この悩みを解決するため,関連技術,関連学問の発達を貪欲に取り入れたものが,進歩の足跡上に並んでいる.今日から明日へと続く迅速検査を支えるものとして,次のような点があげられる.①調整不要のカートリッジや試験片などの利用による操作の画一化と簡便化.②電子工学,機械工学の発達による装置の小型・軽量化とメインテナンスからの解放.③戦略的思考による検査項目の選択と関連する検査との立体的体系での検査計画.これを支える知識ベースと通信網の発達.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.