今月の主題 迅速検査;現状と今後の動向
検査機器・キットの進歩
血液学的検査
遠藤 武
1
,
雨宮 憲彦
1
,
久米 章司
1
Takeshi ENDO
1
,
Norihiko AMEMIYA
1
,
Shoji KUME
1
1山梨医科大学附属病院検査部
pp.245-252
発行日 1988年3月15日
Published Date 1988/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913595
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血液学的検査の迅速化は科学技術の進歩に負うところが多い.それは自動化による精度の向上と省力化である.血液検査室では,日常の業務のほとんどを費していた末梢血液の血球計数が自動血球計数装置の普及によって大きく様変わりした.現在でも血球計数が血液検査室の業務の主流であることには変わりないが,自動血球計数装置の進歩は膨大にふくれあがった検査のニーズに答える力となり,さらに,微量検体で多くの情報を入手できる多項目自動血球計数装置の開発が進んでいる.検査室にとっては,多数検体を効率よく処理し,検査データを迅速に臨床側に報告することが使命であるが,自動化による省力化のみでは必ずしも結果報告の迅速化へと結びつかず,この目的のためには,自動機器とコンピュータが一体となったシステム化が必要である.
本稿では,日常検査として利用されている検査機器の進歩の歴史を振り返りながら,結果報告の迅速化への方向として,自動機器とそれらをつなぐコンピュータシステムによる情報処理の現状を述べ,将来展望を模索する.
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