こぼれ話
生検に伴う危険
坂井 英一
1
1国立療養所道北病院
pp.1235
発行日 1987年10月30日
Published Date 1987/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913461
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昭和39年以降,坪井武擦過細胞診により,末梢病巣の診断を行っていた.肺癌例では,細胞診のみで十分組織型を推定しえ,診療上役に立つものであった.しかし,細胞診陰性は,何の病変なのか不明であった,それで,坪井式鋭匙で採取した小片をホルマリンに入れ,病理診断をお願いした.S先生(現旭川医大学長)などは小さすぎて診断は困難であると言われ,胃生検程度のものが採取できないのかと言われた.
それで,坪井先生などにお願いし,上葉も容易に採取しうる二重屈曲の鋭匙や鉗子を作製していただき,肺癌のみでなく肺結核や珪肺症にも試みた.TBLBのはしりであった.その成績を臨床細胞学会や胸部疾患学会に発表した.
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