新しいneuropeptides・4
GalaninとHelodermin
矢内原 千鶴子
1
Chizuko YANAIHARA
1
1大阪大学医学部附属病院薬剤部
pp.1106-1113
発行日 1987年10月15日
Published Date 1987/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913430
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Galanin
すでに構造の明らかにされているペプチドホルモン,神経ペプチドの中で,その約半数はC末端にα—アミド構造—CONH2をもっている.Tatemoto, Muttらは,この事実に着目し,生体組織中の新しい生理活性ペプチドを探索するに際し,従来用いられてきた生物学的アッセイ法に代わって,このC末端アミド構造を指標とした化学的検索法を考案した.続いて,これを応用し,peptide HI (PHI),peptide YY (PYY),neuropeptide Y (NPY)などの新しい活性ペプチドを単離,同定した.galaninもまた,その一つである1).
TatemotoらはPHIとPYYの精製単離中,ブタ腸管抽出物中にC末端がアラニンアミドのペプチドが存在することを見いだし,1983年この成分の単離に成功し,一次構造を明らかにした.この新しいペプチドはN末端がグリシン(G),C末端がアラニンアミドであったところからgalaninと命名された.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.