新しいキットの紹介
抗体感作イースト菌を用いたダブルロゼット形成法によるTγ細胞の検出
松本 美富士
1
,
加藤 芳郎
1
1名古屋市立大学第2内科
pp.337-340
発行日 1981年3月15日
Published Date 1981/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911189
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はじめに
ヒトのリンパ球は種々の細胞表面形質を持っており1),これを利用して各種リンパ球の同定が行われている.最近,T細胞サブセットのうちTγ,Tμ細胞が注目されているが,リンパ球機能との関係については明らかでない.これらT細胞の同定は各々,免疫グロブリンIgG,IgMのFcに対するレセプターを有することを利用して行われている.Tγ細胞は各種免疫学的疾患によって変動を示すこと2),その検出が必ずしも困難でないことより,広く臨床的に測定が行われている.
末梢血Tr細胞の検出法には数多くの方法が考案されているが,大きく分けて2種類の方法がある.その一つは,2種類の異なった指示細胞を用いて行うダブルロゼット形成法3〜6)であり,他の一つはまずT細胞を分離した後,IgGのFcレセプターを検出する方法である7).操作の簡便性から前者のダブルロゼット形成法が一般的である.Fcレセプター検出用の指示細胞として種々のものが利用されており,著者らも従来から有核であるニワトリ赤血球(Ck-EA)を用いたダブルロゼット形成法で検出を行ってきた3).
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