中検へ一言・中検から一言
CPCにも参加を,他
吉田 弥太郎
1
1金沢医大・内科
pp.1054-1055
発行日 1976年10月15日
Published Date 1976/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909508
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大病院の中検では医療の専門化と並行して検査業務が細分化され,技師は特定の部門のみを分担する傾向にある.今日の医療に臨床検査が不可欠のものであることが社会的にも浸透してきているので,検査項目も検体数も絶えず増加してゆくものと思われ,今後ともこの専門化と分担の趨勢は変わらないだろう.そこで願わくば検査技師の方々には検査の重要性をよく認識していただき,単に検体を時間内にこなすだけではなく,個々のデータに責任をもって対処していただきたい.例えば,異常値を呈した検体があれば,それが血清のように保存可能なものなら必ず保存しておき,後々の再検討や臨床経過に対応した経時的検索に備えて欲しい.また異常値の報告に際しても,中検から臨床側に再検討の必要性を指示するとともに,もう一歩進んで次は何を検査すべきか,どういう診断が考えられるかなどの諸点につき積極的に進言するくらいの姿勢が欲しい.その意味で本誌19巻10号の「診断名"再生不良性貧血"早急に骨髄穿刺を施行されたし!」と題する田端中央病院近藤氏の努力には敬意を表したい.私事にわたるが,当大学中検では血液像で異常細胞が出現したり,白血球減少のある検体では,可能な限り,buffy coatの塗抹標本を作って再検するように心掛けている.一方,医師の側でもただ伝票を切るだけでなく,返されてきたデータを正しく把握し,疑問があれば中検へ出向いて行って討論をすべきであろう.
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