Senior Course 生化学
—臨床化学検査における酵素化学—酵素による定性・定量分析 Ⅷ
山下 辰久
1
1順大・生理化学
pp.862-863
発行日 1976年8月15日
Published Date 1976/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909463
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3.反応時間
今回は既に述べた酵素分析のデザインを組む場合の留意点の一つである"反応時間の設定"──どのくらいの活性をもった酵素をどのくらい用いたら,反応が完結するまでに要する時間がどのくらいかかるか──に関する問題を考えてみよう.
酵素分析で測定物質すなわち基質濃度(〔S〕)が低いという場合Km(ミカエリス定数)との関連において考えることが大切で,一般に〔S〕≒Km,〔S〕<Km,〔S〕《Kmという三つの場合が考えられる.しかしこの最後の〔S〕《Kmという状態は反応が終了する前には必ず到達する状態であり,それから反応は一次反応の法則に従って進行し,反応曲線は図に示すように漸近線的に終点に近づく.
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