検査と主要疾患・41
サルコイドーシス
岡野 弘
1
1虎の門病院呼吸器科
pp.548-549
発行日 1976年5月15日
Published Date 1976/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909375
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1.歴史と疾患概念
明治2年(1869年) Hutchinsonが四肢の皮疹と反覆性に現れる虹彩ブドウ膜炎の一例を記載したものが本症記載の嚆矢と老えられている.本邦では大正10年(1921年)に本症の皮膚病変が,昭和9年(1934年)には本症の肺病変が初めて報告されるなど歴史的には古い.しかし第二次世界大戦後,欧米ならびに本邦においても症例発見の増加とともに本症への関心が高まり,1975年までに既に7回の国際会議が開かれるに至り,我が国でも病因の解明などを目標とし,難病と指定されて広範な研究が行われている.現在,本邦における本症症例は約4,000名程度存在していると推定され,北海道,東北など緯度の高い地域に多い.
本症はHutchinson-Boeck氏病,類肉腫症,サルコイドーシス(sarcoidosis)などと呼ばれているが,現在はサルコイドーシスの病名が一般的に用いられている.
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