研究
α-フェトプロテイン陽性例の臨床病理学的検討
垣見 怜子
1
,
関 研二
1
,
野口 八郎
2
,
大川 日出夫
2
1永寿総合病院検査科
2永寿総合病院内科
pp.1430-1431
発行日 1975年12月15日
Published Date 1975/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909211
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はじめに
α-フェトプロテイン(AFPと略す)がヒト胎児血清中に存在することは1956年Bergstrand1)によって見出された.その後,肝細胞癌のマウス血清中にこのAFPが出現することを1963年Abelevら2)が報告した.1964年Tatarinov3)はヒトの原発性肝癌患者血清中にAFPが高率に検出されることを発表した.以後広範な研究が行われAFPは原発性肝癌患者の60〜80%に陽性であることが分かりAFPの診断的意義が認められたのは周知のごとくである.
AFPの測定が普及し,また測定法の進歩,特にra-dioimmunoassay法が採用されるに及んで,原発性肝癌以外の疾患──肝炎,肝硬変症,転移性肝癌,妊婦など──で陽性例が報告されるようになった.
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