日常検査の基礎技術
睡眠脳波のとり方—電極の付け方,とり外し方
遠藤 四郎
1
,
末永 和栄
2
1東京都精神医学総合研究所精神生理研究室
2医療法人青山会青木病院検査室
pp.877-884
発行日 1975年8月15日
Published Date 1975/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909069
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臨床脳波検査で睡眠脳波をとる必要がしばしば起こる.例えば覚醒状態では脳波検査ができないような場合──乳幼児,非協力な患者──である.更に睡眠によって覚醒脳波では得られないような情報が得られる場合である.すなわら,てんかんの精神運動発作の場合には睡眠時に側頭部に棘波が出現しやすい.自律神経発作と関係の深い14 & 6C/S陽性棘波も睡眠時に出現しやすい.脳腫瘍のような場合の局在決定として紡錘波や瘤波の一側性欠如(Lazy activity)が利用される.また賦活法としては薬物(ペンタゾール・ベメグライド)による賦活などのような苦痛が患者側になく,かつ筋電図などによるアーチファクトが少ないという利点もある.ここでは睡眠脳波を上手にとるために,電極の付け方について述べるが,睡眠中に体動などで電極が揺れたり,外れたりしてアーチファクトを生じない工夫をする必要がある.また睡眠時には睡眠段階(深度)を知る必要があるし,NREM睡眠とREM睡眠を区別する必要があるので,Rechtscha-ffenが述べているように,脳波以外に眼球運動,筋電図,その他の生理現象のとり方について述べ,かつ,短時間の記録をとる方法とやや長時間記録をする方法について略述する.
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