カラーグラフ
骨髄穿刺液中の腫瘍細胞
原島 三郎
1
,
中尾 功
1
1癌研究会附属病院血液検査室
pp.4-5
発行日 1974年1月15日
Published Date 1974/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908386
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悪性腫瘍患者の骨髄穿刺液中の腫瘍細胞陽性率は3〜8%程度であり,時期的には末期例に多い.骨髄転移の比較的よくみられる悪性腫瘍は,胃癌,乳癌,肺癌,悪性リンパ腫,神経芽細胞腫などである.悪性腫瘍患者で,貧血があり,末梢血液中に赤芽球,幼若好中球の出現をみた時には,腫瘍の骨髄転移を疑う必要がある.骨髄塗抹標本をみる時には,標本の引き終わりに腫瘍細胞群が存在することが多いので,引き終わりを注意深く観察することがたいせつである.悪性腫瘍細胞の中でも,癌細胞は結合して細胞群として存在し,肉腫細胞は孤立性に散在することが多い.
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