技術解説
携帯型磁気記録心電計の臨床的応用
佐藤 忠一
1
,
平野 三千代
2
,
工藤 千秋
2
,
池田 嘉光
2
,
小林 舜二
2
,
土川 義建
2
,
中村 民雄
2
,
岩泉 紀久子
2
1岩手医大・中検
2岩手医大病院中検臨床生理
pp.1456-1465
発行日 1973年11月15日
Published Date 1973/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908325
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現在,心電図検査は循環器疾患の診療における最も基礎的な検査法として,広く利用されている.このような心電図検査法の一般化は,1つには直記式心電計の性能の向上と普及によるものであり,さらに中央臨床検査システムの発展に伴うものと思われる.実際,最近では,病院内における心電図検査の大部分は,中央臨床検査部において処理されているといっても過言ではなく,心電図検査法の普及や利用率の向上によって,恒常的に存在する心電図の異常は,早期に,確実に発見されるようになった.
しかし安静時や肉体的,精神的な負荷に伴って一過性に出現する心電図の異常は,Masterの2階段試験や,入院患者に対する病室への出張検査によってもとらえにくい場合がしばしばある.さらに,自覚症状があった場合に心電図の異常を伴っているかどうかということは,臨床診断上きわめて重要である.しかし,心疾患患者のリハビリテーションの段階において,患者によっては自覚症状がほとんどないのに心電図に異常が認められる場合もあるので生活管理上,しばしば問題となることがある.
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