技術解説
臨床化学簡易測定装置
奥田 清
1
1阪市大中検
pp.1071-1078
発行日 1973年10月15日
Published Date 1973/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908240
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医学・医療の進歩ならびに諸社会制度の変革は,疾病構造の変化,人口構造の高齢化を加速せしめたことは諸統計の示すとおりである.そしてこの現象は,医学そのものにも影響を及ぼし,従来の形態学中心の医学から,豊富な臨床情報を背景に,疾病を機能変調としてとらえる医学に変遷せしめたともいえる.もちろんこれを支えたものの1つに,臨床検査の進歩発展があったことはいうまでもない.
聴診器の発見によって理学的診断法が完成され,またX線の導入によって診断学は飛躍的な発展をとげたといわれる.しかし,いずれにしても従来の診断法は,そのデータの判読・解釈に経験的な要素が大きかったといわねばならない.これに対し,最近における各種分析法の進歩は生体からの臨床情報のとり出しを容易とし,詳細で精度のたかいデータの入手を可能にするとともに,その計量化にも着々と成功をおさめてきた.
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