技術解説
ウイルス検査の微量化
赤尾 頼幸
1
,
芦原 義守
2
,
七山 悠三
2
,
荒木 美ね子
2
1国立予防衛生研究所ウイルス中央検査部
2千葉県衛生研究所
pp.723-731
発行日 1973年7月15日
Published Date 1973/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908140
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近年ウイルス検査の分野では,マイクロプレート(micro plate)による血清反応やウイルスの微量組織培養(mini culture)が行なわれるようになってきた.特にウイルスの血清反応に関しては,血球凝集(HI)反応や補体結合反応にこの方法が用いられるようになり,従来行なわれていた試験管(tube)法がほとんど用いられなくなったといっても過言ではない.
マイクロプレートによる微量組織培養に関しては,1969年になって血清反応に用いるマイクロプレートと同一規格の平底96穴のマイロプレートが組織培養用に作製されるようになり7),ようやくウイルスの微量定量や,またピギーバック・マイクロ・トランスファープレート8)と併用してウイルスの微量中和反応が容易に行なわれるようになった.本法の長所は操作が簡単で迅速であるのみならず,培養細胞,培養液などが従来の試験管法に比べて少量ですむこと.またディスポーザブルプレートの使用で検査費,人件費がともに節減できることである.さらに使用器具が小型なので,実験,培養,保存などにスペースを要しないこと微量化のため特別に試験管台など実験器具を新たに作らなくてすむので,どこの研究室でもその移行が簡単に行なわれることなど多くの利点があげられる.
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