Senior Course 血液
骨髄像の見かた考えかた(4)
桑島 実
1
1日大臨床病理
pp.454
発行日 1973年4月15日
Published Date 1973/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908064
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骨髄検査の手段
比較的一般的な細胞学,細胞化学,細胞機能的検査所見を成書から引用して下表にまとめた.前回の検査法を含め最近集大成された参考書もあり,個々の検査法についてはこれら成書にゆずる.そこで実際,問題になるのは,少量の骨髄穿刺液に加えて血液検査室の限られた人員と時間で,どのような症例に対し,どの検査を選択するかということであろう.ライト・ギムザ染色,有核細胞数,巨核球数,ペルオキシダーゼ染色はすでに常識化している.ミエロクリットと,病理検査室に依頼する切片標本も検体量があれば常時可能である.白血病の疑いがある初回例には個々の検査の意義を理解し可能な限り多くの検査を組み合わせ総合的に観察することが理想的である.下表で決められた固定または前処理をしておけば,その後の操作にある程度時間差をつけることができ手技の難易を除けば,それほど困難ではない.そこで,PAS,ズダンブラックB,超生体染色,貪食能を加え,人員と時間に余裕があれば位相差顕微鏡による観察,電顕用の包埋過程も行なえるとよい.赤芽球の異常には鉄染色とPAS染色を加える.なお,骨髄穿刺と同時に耳朶採血を行ない,末梢血液塗抹標本の作製などの必要な検査を並行して行なうことがたいせつであり,骨髄像と対比し大いに参考になる.
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