検査機器のメカニズム・15
温度調整器
荒木 仁子
1
1東京女医大中検生化学
pp.340-341
発行日 1973年3月15日
Published Date 1973/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908029
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恒温装置はふつう熱源,媒体,温度調整器,温度指示装置,撹拌装置からできている(図1).
温度調整器は温度変化を感知する感温部とその指令によって加熱・冷却電流を開閉するリレー部とに分けられる.図2はローリー式の温度調整器でガラスからできており,Aは感温部で膨張係数の大きい液体としてトルエンなどを満たし,その他の部分には水銀を満たしてある.液体が目的の温度に達したとき水銀の上端がちょうど細管Dの内にくるように活栓Cで水銀溜B内の水銀量を調節しておく,Eはガラス管内に白金線を熔封したもので上端は銅線Fと電気的に接続する.Gも白金線でこれは管に挿融して管中の水銀と接続している,FとGの間には電池が入れてある.電熱器で恒温槽の温度が上昇すればA内のトルェンおよび水銀が膨張し,D内の水銀柱とEの白金線の下端が接触すれば電流はそこを流れる.電流が通ればリレーの磁石が働き電熱回路が切断し,したがって温度は下がる.その結果水銀糸頭が下がって水銀とEとが離れれば再び電熱器に電流が流れて温度が上がる,Dの内径は細いほうが理論的に感度が高いが,実際上は細すぎると何かの具合で温度が上がりすぎ太い部分にきた場合そこで水銀が切れて上に残り,再び冷えたとき細管中の水銀量が減り,以前よりも温度の高い点に設定されることになるので注意する.
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