走査電顕の目・1【新連載】
奇型赤血球
小川 哲平
1
1慶大内科
pp.97-98
発行日 1973年1月15日
Published Date 1973/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907962
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末梢血液塗沫標本で赤血球形態を観察することはたいせつなことで,これにより診断に重要な情報が得られることが多い.
赤血球の形態異常はいろいろな疾患で見られる.この標本は尿毒症患者のもので,奇型赤血球症(poikilocyto-sis)がみられる.これらの奇型赤血球は辺縁が不規則に突出したburr cell,赤血球がちぎれて生じたようにみえる小さな三角形(triangular cell)やヘルメット状を呈するもの(helmet cell)などがあり,赤血球断片(redcell fragment),分裂赤血球(schistocyte)とも呼ばれる.
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