blood banking technology memo
輸血とアレルギー
松橋 直
1
1東大医科学研究所アレギー学研究部
pp.1351
発行日 1972年11月1日
Published Date 1972/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907837
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輸血のとき現われる蕁麻疹,気管支攣縮などのアレルギー症の成立には,(1)受血者の側に原因がある場合,(2)供血者の側に原因がある場合,の2つの基因が考えられる.
(1)受血者が花粉,家塵,牛乳,卵などのようなごくありふれたアレルゲンに対して敏感なアトピック性の者である場合,血液や血漿を注入すると,中等度から重症の蕁麻疹,腹部痙攣,血圧降下などを起こすことがある。このような症状は,患者の状態によっても,注入する血液,血漿によっても,軽重様々である.輸注に用いた血液や血漿中に,受血者に対してアレルゲンとなるような物質がはいっていたために起こるものと考えられる.
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