特集 輸血業務と臨床検査
カラーグラフ
血液の色
徳永 栄一
1
,
松村 義寛
2
1日赤中央血液センター
2東京女医大・生化学
pp.1176-1177
発行日 1972年11月1日
Published Date 1972/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907801
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血液は赤いとされているが,よく見ると千差万別である.全血の色にしても酸素の含量,ヘモグロビンの多寡,異常ヘモグロビンの有無によって左右される.血漿,血清の色はおもにビリルビンの黄色を示すものであるが,さらに食物に由来する各種の変化が加わる.最もしばしば見られるのは食物中の脂質によって起こる乳麋血(リペミー)で,白く濁ってくる.ニンジン,カボチャ,アサクサノリの多食によりカロチン類による黄赤色はビリルビンの色に車ぎらわしい.薬剤の服用によっては種々の色調を示すが,ことにリボフラビン(総合ビタミン剤中に多量含まれる)に由来する緑色の螢光は顕著である.
ここでは保存血について健康人の血液の色を示しておく.ACDが加えられているのでいくらか淡い色となっている.
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