研究
白血球像の塗抹部位による差異
坂内 英明
1
1千葉・癌療養センター一条会病院検査科
pp.301-304
発行日 1972年3月15日
Published Date 1972/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907555
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はじめに
白血球像の検鏡に際しては,あらかじめ弱拡大下で全視野を観察し,塗抹ならびに染色条件のよいところを確かめてから,油浸にして検鏡する必要がある.いくら塗抹・染色技術に習熟していても,以上の注意を怠ると血球の正しい判定が困難となり,労が多い割に信頼性の乏しい測定値を出す結果となりかねない.
以上の点を考慮して白血球像百分率をとるときに,塗抹部位によってどのような差異が生じるのか,日ごろより疑問に思っていた.血小板算定(Fonio法)においては,塗抹部位によって測定値に著しい差が生じることはよく知られた事実である.そこで,白血球像の検鏡部位による差異について改めて検討を加えてみたので,その結果を報告する.
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