海外だより
—欧米(北欧,東欧,西欧,米国およびカナダ)の病院検査室(5)—ユーゴスラヴィアのベオグラードでドクトール・ドラギッシャ・ミシォヴィッチ病院とセルビア共和州母子健康研究所の検査室を訪ねて
佐々木 禎一
1
1札幌医大・中央検査部
pp.66-71
発行日 1972年1月15日
Published Date 1972/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907488
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はじめに
疲労の身にむち打って,久しぶりに晴れ上がった東欧の空を飛び,10月18日の夕刻Jugoslavia(以下ユーゴと略記)のBeograd(ベオグラード)に到着した.それは,ブカレスト(ルーマニア)—ソフィア(ブルガリア)間の飛行機が吹雪で欠航したため,急拠モスクワ始発の国際超特急というのに乗せられ,1晩食物も暖房もない冷たい車輛の中,つらい旅をした時1)の悪天候とは全く段違いの快適なものであった.
東欧といっても,ユーゴはチトー政権下西欧にも顔を向けているため,市街では新しい高層建築が次々完成し,物資も豊富で,最早西欧に舞戻ったような感じさえいだかしめるようであった.しかしその内部の医学事情に関してはほとんど紹介されておらず,われわれにとってはきわめて興味深いものである.
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