RI検査の基礎・6
RI安全取扱法
吉川 春寿
1
1日本アイソトープ協会
pp.1436-1441
発行日 1971年12月15日
Published Date 1971/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907460
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はじめに
RIはきわめて有用である一面,常時放射線を出しているので,人体への影響に十分の注意をはらわなければならない.放射線影響には放射線を外部から受ける外部照射(external exposure)と体内にはいったRIから受ける内部照射(internal exposure)とある.また,被曝者一代かぎりの影響ばかりでなく,後世代にわたる遺伝的影響もありうる.
したがってRIはどこでもだれでも自由に使えるわけにはいかず,厳重な法律上の規制がある.この法律は"放射性同位元素などによる放射線障害の防止に関する法律"といい,これに施行令,施行規則が付随し,さらに具体的な数量に関する告示があって,全部あわせると相当なボリュームになる*1),しかも厳重なことでは無類で,RIを使うのがいやになるくらいである.核アレルギーをもつ国として,また最近の公害問題がうるさくなったこととて,厳重なのもまたやむをえないであろう.しかし,多くの法律や規則がそうであるように,不必要に厳重な点がある一方,妙な抜穴があったりして,法律を守って安心しているとかえって危険なことさえある.RI使用上の法的規制については,管理責任にあたる‘放射線取扱主任者’にまかせてその指示に従い,RI実験者は基礎的な知識をもって事にあたるようにしたほうがよいと思う.
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