コンピュータの基礎知識・6
臨床検査システム機械化の試み—東大病院の場合
山田 英夫
1
1東大病院中検
pp.677-683
発行日 1971年7月15日
Published Date 1971/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907250
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
臨床医学における検査の占める役割は近年ますます重要なものとなり,検査室で扱う臨床検査の種類,検体の数は増加の一途をたどっている.東大病院中央検査部で扱う検査の数は年間110万件を越える.その多くは血液・尿などを検査材料とするいわゆる検体検査である.検査の実施に関しては一般検査の試験紙法,血液検査における自動血球計算機,生化学検査における自動化学分析装置などの導入により,その処理能力は飛躍的に増加した.
しかしそれに伴う検査の依頼,作業ノートの作成,結果の報告,諸種の統計表の作成,精度管理などはすべて用手法によってなされており,検査室業務における事務作業の占める割合は,生化学検査室の調査で28%となっている(図1).また諸種のミスを防ぐために絶えず多大の努力がはらわれている.その結果,人手不足のため当然行なわなければならない検査ですら,そのすべてを日常業務としてはなかなか実施しえない現況である.
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.