研究
医化学用ガラス器具洗浄剤の効果と管理
原 繁男
1
,
浅沼 春樹
1
1名鉄病院臨床検査科
pp.76-79
発行日 1971年1月15日
Published Date 1971/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907067
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序論
ガラス器具の洗浄といえば,‘ああ,洗場のおばさんか’,というくらいにしかわれわれは考えないのではないだろうか.そして,毎日使用しているガラス器具の清浄度を調べてみたことがあるだろうか.ガラス器具の洗浄という問題は,臨床検査の第1歩であり,また一番重要な問題である.汚れが残っていて,検査データに影響を及ぼしはしないか,洗剤が残っていてこれもまた影響がありはしないだろうか.
しかし各病院の現状をみると,衛生検査技師が試験管洗いをするということは到底不可能な場合が多い.特に医化学用ガラス器具洗剤は,表1に示すごとくアニオン型界面活性剤を主剤とした複合アルカリ洗剤とか,タンパク分解剤を配合したものが多い.また洗浄効果を高めるためにビルダーとして,リン酸塩,ケイ酸塩,CMC,EDTAなどが配合されている.このことから考えても,洗剤の残存による生化学データーへの影響は推察できる.そこでわれわれは,各洗剤の洗浄力および洗剤の残存度およびそれによる影響を実験し,日常われわれ衛生検査技師が行ないうる洗浄管理法を考案したので,ここに報告する.
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