1ページの知識 寄生虫・原虫
寄生虫の検査法(6)—免疫血清学的検査(2)
久津見 晴彦
1
1国立予防衛生研究所寄生虫部
pp.575
発行日 1970年6月15日
Published Date 1970/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906818
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補体結合反応と血球凝集反応
補体結合反応 肺吸虫症,糸状虫症,包虫症,住血吸虫症,肝吸虫症の診断に用いられているが,一般的には皮内反応に比べると特異性の点で劣るようである.
肺吸虫症では虫卵陽性者の85-95%が陽性となるが,健康人でも10%が陽性となる.しかし肺臓内の虫嚢を外科的に切除した例では1か月後に抗体価が急激に低下し,4か月後には完全に陰転しており,また薬剤投与で完全治癒したときは1年以内に陰転するが,不完全治癒では抗体価は低下せず1-3か月後に虫卵が陽性となった報告があるので,補体結合反応は治癒の判定に用いられる.
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