研究
ユニグラフ使用による尿素クリアランス試験についての検討
森本 欣吉
1
,
後藤 義治
1
,
堀川 郁英
1
,
加藤 荘一
1
1釧路労災病院内科
pp.71-74
発行日 1962年1月15日
Published Date 1962/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905923
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まえがき
尿素クリアランス試験は,手数はかかるが腎機能試験中最も鋭敏な方法として推奨せられている。この手数がかかるということの第一の理由は,なんといっても血液および尿中の尿素窒素定量法として臨床的に理想的なものがないことであって,現在広く行なわれているDiacetyl-Monoxim法にしても,標準法とされているUrease-Nessler化比色法にしても,また最近提案されたXanthydrol混濁法にしても決して簡便とはいいがたく試薬の調製その他にもかなりの手数がかかり,必ずしも臨床的にいつも手近かに実施しうる検査法ではなかったためと思われる。
ところが,最近Warner-Chilcott Lab.より血中尿素窒素を定量するユニグラフ(一名,ウログラフ)が発表され,先に斉藤正行氏もこれを使用して血清尿素量を測定し,Urease-Nessler化比色法と比較して大体一致する価が得られることを発表されているが,われわれもこれを試用し,血中尿素窒素の定量法として,特に変色層高の測定を用いるならば,まず臨床的に充分用いうる精度であることを確かめた。またわれわれは,尿中尿素もこの方法で同様に測定でぎることを以下の実験結果より確かめ,更にこのユニグラフを用いて得た尿素クリアランス値についての検討を試みた。
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