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立体画像による脳疾患の診断
北垣 一
1
1兵庫県立高齢者脳機能研究センター・画像研究科
キーワード:
MRI
,
三次元表示
,
痴呆性疾患
Keyword:
MRI
,
三次元表示
,
痴呆性疾患
pp.231-234
発行日 1999年2月15日
Published Date 1999/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904012
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1.はじめに
X線CT,MRIは人体の断層像を作り出すことにより体の内面の観察を可能にし,種々の疾患の診断に大きな飛躍をもたらした.しかし,これらの断層像に欠けている情報に,病理解剖において重要な臓器表面からの観察がある.立体表示することにより表面から観察できる.また立体表示のために目標臓器の輪郭を抽出し,臓器自体を分離することにより体積を算出できる.脳を例に挙げるとX線CT,MRIなどの頭部の断層画像から脳だけを分離するという第1の過程と,その表示という第2の過程から成る.第1の過程には,膨大な量の画像処理が必要で,人の手で直接行う場合は時間的肉体的に多大な労力を要するだけでなく,操作者の熟練度の違いによる結果のばらつきが生じる.しかし,これまでコンピュータですべてを処理させるのは困難であった.頭部から脳を分離するのは既存の構造から一部を抽出する過程であり,産業用の3次元表示のように設計されたものを表示するのとは異なるからである1).
以下に筆者らが開発した脳自動体積測定・3次元表示法について解説し,その臨床応用の現状と展望について述べる2,4).
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