特集 感染症診断へのアプローチ
総論
Ⅲ.臨床微生物検査法の進歩―1.微生物検査の手順・進め方
山﨑 透
1
Toru YAMASAKI
1
1大分医科大学附属病院検査部
pp.1229-1232
発行日 1998年10月30日
Published Date 1998/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903883
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.はじめに
微生物検査の対象は,細菌,マイコプラズマ,クラミジア,リケッチア,真菌,原虫,ウイルスと幅広く,さまざまな臨床検体から検出が試みられる.さらに,近年の日和見感染症の増加に伴う常在菌とされていたものも含めた検査対象となる病原微生物の増加,国際交流の活発化に伴う輸入感染症(コレラ,マラリア,デング熱など)の増加,新興再興感染症(レジオネラ,腸管出血性大腸菌O157,ヘリコバクター・ピロリなど)の増加,抗菌薬耐性菌(MRSA, VISA, VRE, PRSP, ESBL産生菌,カルバペネメース産生菌,多剤耐性結核菌など)の増加など1,2)際限なく検査範囲の拡大化を余儀なくされている.
一方,微生物検査法も進歩を続け,培養・同定法の改良,簡易同定キットや自動化機器の導入,新たな抗原・抗体検出法の開発,遺伝子学的診断法の利用など検査の効率化や迅速性への対応がなされてきた3,4).
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.