今月の主題 臨床検査と医療経済
わが国の医療経済の動向
医療経済を考える―構造改革を目指して
下村 健
1
Takeshi SHIMOMURA
1
1健康保険組合連合会
キーワード:
老人医療
,
保険料
,
世代間の公平
,
急性期疾病別定額制
,
DRG-PPS
Keyword:
老人医療
,
保険料
,
世代間の公平
,
急性期疾病別定額制
,
DRG-PPS
pp.1730-1744
発行日 1997年12月15日
Published Date 1997/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903589
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医療保険の財政悪化が続く.今のまま,保険料や患者負担を引き上げると,毎年相当な負担になろう.医療保険全体の共通かつ最大の課題は,高齢化によって増え続ける老人医療費である.医療関連制度全体の構造改革を行うべきであるが,老人医療問題の解決を中心に考えるべきである.老人医療の新しい制度では,公平な負担に併せて,薬剤費問題など弊害が目立っている診療報酬制度,患者中心のサービス提供体制の改革が行われるべきである.患者中心のサービス提供とは,競争と選択のある医療経済である.このためには,患者への情報提供や保険者機能の強化が必要である.
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