特集 神経系疾患と臨床検査
Ⅳ.画像診断
ミニ情報
カラードプラ法のパワーモード表示
大熊 潔
1
1慶應義塾大学医学部放射線診断科
pp.1443
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903522
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従来のカラードプラ法は速度モードとも呼ばれるように血流の方向と速度を表示する方法であるのに対し,パワーモードはドプラ信号のパワーを表示する方法であり,血流のあるところが表示される.従来のカラードプラ法では,検出感度がやや劣ることや折り返し現象があること,ビームと直交する方向の血流がとらえられないなどの欠点があったのに対し,パワーモードの最大の利点は検出感度が従来のカラードプラ法よりも数倍高く,細い血管や遅い血流の検出能が高く,ビームと直交する血流もほぼとらえることができることである.頸動脈の検査においては高度の狭窄と閉塞の鑑別が困難な場合があるがパワーモードを用いることにより容易に鑑別できる(図1).また,経頭蓋ドプラ法では従来の速度モードでは十分なカラー表示が得られにくかったがパワーモードでは良好なカラー表示が期待できる.さらに術中超音波検査でも3次元表示画像を含めたパワーモードの応用が期待されている.
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