Japanese
English
研究
熱傷患者皮膚にみられる黒色色素の微小部X線分析による解析
X ray Microanalysis of Black Pigments of the Skin with Burn
成富 真理
1
,
鐵原 拓雄
1
,
広川 満良
2
Mari NARITOMI
1
,
Takuo KANAHARA
1
,
Mitsuyoshi HIROKAWA
2
1川崎医科大学附属病院病院病理部
2川崎医科大学病理学
1Department of Pathology,Kawasaki Medical School Hospital
2Department of Pathology,Kawasaki Medical School
キーワード:
熱傷
,
皮膚
,
微量分析
,
スルファジアジン銀
,
ポビドンヨード
Keyword:
熱傷
,
皮膚
,
微量分析
,
スルファジアジン銀
,
ポビドンヨード
pp.955-957
発行日 1997年8月15日
Published Date 1997/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903407
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熱傷患者皮膚の表面に黒色色素が観察された5症例について,黒色色素の本態を明らかにするために,微小部X線分析を用いて黒色色素の解析を行った.黒色色素は角化層がない皮膚では皮膚表面から組織深部の間質にも侵入しており,治療薬の浸透によると推測された.黒色色素X線分析の結果,全症例で銀が検出された.銀を含むスルファジアジン銀が全症例の皮膚に塗布されていたことから,黒色色素はスルファジアジン銀が沈着したと考えられた.また,5症例中4症例にヨウ素も検出された.消毒薬のポビドンヨードに含まれるヨウ素も受傷皮膚に沈着すると思われた.病理組織診断において熱傷患者皮膚に黒色色素がみられた場合,微小部X線分析を併用することによって,生理的な黒色色素と治療薬にる黒色色素との鑑別ができると思われた.
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